報告と信頼関係
今回は組織における報告と信頼関係について書きたいと思います。
結論から言います。
組織の隠ぺい体質は、情報を隠す側に問題があるのではありません。
組織体質やリーダーに問題があります。
部下が上司に報告しないのは、事実を隠したいからではありません。
起きたことの重大さを認識していないからではありません。
社員が不真面目でからでもありません。
報告することのデメリットがメリットを上回っている。
それだけの話なのです。
もしあなたが、報告を受ける側の立場なら「報告しないのは社員としての義務を果たしていない」などと思われるでしょう。
確かに義務は果たしているとはいいがたいかもしれません。
しかし、報告する側にとって重要なのは、必ずしも事の重大さではないのです。
重要なのは、報告することによる負のインパクトです。
「自分にとって不利益となるくらいなら黙っていよう」となるわけです。
報告することで生ずるデメリットをあげてみます。
- 減点評価される
- 上司から叱責される
- そもそも怖すぎて報告できない
つまり、短期的には叱られることに対する恐怖心、長期的には評価に対する悪影響をデメリットと認識するのです。
報告する側の心理と信頼関係をまとめてみます。
- 報告したくないのでやめておこう→信頼度0%
- 報告せずにやってしまおう→信頼度5%
- 聞かれたら報告しよう→信頼度10%
- 報告してから進めよう→信頼度50%
- 事後報告するので先に進めておこう→100%
信頼関係が最も強いのは事後報告です。
事後報告が許される組織は、基本的に社員を信頼しています。
社員は信頼にこたえようと、なるべく多くの情報をあげようとします。
行動を起こす際に、より深く考えるようになります。
事後報告には、理由や根拠が必要です。
「このように考えたのでこうしました」が信頼関係構築の鍵となるのです。
信頼関係を築く上で重要なのは、事後報告しやすい環境をつくることです。
事後報告しやすい環境をつくるのは難しいことではありません。
事後報告しやすい環境とは、任せるということだけです。
- 相手の判断と行動を尊重する
- 行動の根拠を共有する
- 今後の進め方について話し合う
特定の部下に責任を負わせずに一緒に問題解決していく姿勢が報告しやすい環境を作る鍵となります。
やってしまったことや起きてしまったことに対し「だから言っただろう!」「どうして言うとおりにしなかったんだ!」などと相手を責めるのは簡単なことです。
しかし、このような言葉がこそが両者の距離を広げてしまいます。
隠ぺい体質とは、組織トップやリーダーの保身によってつくられるものなのです。
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