忙しさよりつらいのは暇であること
今回のコロナ禍で大きく変化したものの一つに会社員の労働環境があげられます。
僕が働いている会社でも大きな環境変化がありました。
主なものをあげてみると
- 一時帰休取得
- テレワーク導入
- 業務量減少
この3つです。
一時帰休は初めての経験でした。
段階的に取得日数は減っているものの、正直ありがたくない休みでした。
どこかに出かけられるわけでもなく「暇を出された」感じです。
テレワークと一時帰休でひきこもり状態が続きました。
1か月以上職場を離れ、ほぼ自宅にいたのは入社以来初めてのことでした。
現在ではオフィスワークが再開され、表面上コロナ前の状態に戻りつつあります。
とはいえ、会社の業績は低迷しており、業務量は大きく減少したままです。
体感的には、前年の同時期に比べると半分以下です。
- 新規出店中断
- 新規採用中断
- 社内外研修中止
- 投資抑制
- 残業の原則禁止
当然ながら、経営は「攻め」から「守り」に大きく舵をきることになりました。
組織も大きく変わりました。
全国に数か所にあった事務所の大半が閉鎖されました。
間接部門で勤務していた社員の多くが、店舗または店舗サポート担当として異動することになりました。
10年以上店舗勤務を離れていた社員の異動も多数ありました。
もはや社員一人ひとりのキャリアは全く関係ありません。
経営にとって最大の課題は会社を守ることです。
僕は今の部署に留まることが決まりました。
ただ、この先どうなるかは全くわかりません。
本意ではありませんが、店舗への異動も可能性としては十分あります。
業務量減少で何より感じるのは「暇が一番つらい」ということです。
25年以上の勤務で、日別の業務量に変化はあるものの、「暇」を感じたのは今回が初めてです。
業務に対し、「暇」という表現を使うことには抵抗があります。
仕事が暇などというのは能力の低い社員が使う言葉だと考えているからです。
昔、僕は部下にこのような話をしたことがあります。
「業務は自分で探すもの、暇なんてあるわけないだろ」
この気持ちは今も変わりません。
定型業務が減った分、業務改善やクリエイティブな業務に振り向けることが可能ですので、これをチャンスととらえることもできます。
だけど、不安が払拭しきれないというのが正直な気持ちです。
「働き方改革」では、長時間労働を是正し生産性を上げることが柱の一つでした。
コロナ禍を追い風に成長している企業も少なからず存在しているので、この方向性に間違いはないでしょう。
ただ、今問題となっているのは、長時間労働よりもむしろ「暇」のほうなのかもしれません。