セクハラとパワハラは根本的に違う
担当店舗のある役職者と話をする機会がありました。
入社20年以上のベテランです。
彼の受け答えはとてもしっかりおり、仕事に対する知識も豊富でした。
おかれている立場と能力の高さにギャップを感じずにはいられませんでした。
会話の中で彼はこう切り出しました。
「実は1年前、セクハラで降格になりました」
経緯や詳細はあえて聞きませんでした。
セクハラとは、行為そのものではなく相手の受け取り方で決まるものだからです。
相手にとって気持ちの良いことであれば、仮にそれが性行為であってもセクハラになることはありません。
一方、手を握っただけでも相手が不快と思えばアウトということです。
つまり、セクハラに該当するかどうかは行為ではなく相手の受け取り方で決まるのです。
対照的なのはパワハラです。
相手の受け取り方より、行為そのものが判断材料となります。
セクハラとは異なり、一発アウトはまずありえません。
パワハラで重視されるのは、被害者感情ではなく事実と証拠なのです。
もちろん、懲戒処分は本人の一生を左右するだけに慎重であるべきです。
慎重であるがゆえに、被害が拡大するとが多々あります。
<セクハラ>
- 行為ではなく相手の感じ方
- 被害者は少数または一人
- 一発アウト
<パワハラ>
- 事実と証拠の積み重ね
- 多数の被害者を生みやすい
- 一発アウトはない
比較してみると、両者は全く異質なものであるということがわかります。
パワハラで問題なのは、その行為が組織の中で容認されてしまうことです。
- 厳しい指導は部下を成長させる
- 厳しい指導のできる上司は能力が高い
- そもそも被害者側に問題があるのではないか
このような感覚が根強く残っている限り、世の中からパワハラはなくならないのでしょう。
僕は、世の中からパワハラがなくなることを望んでいる人間です。
ここ数年、悪いことが連鎖的に起き、精神的に大きなダメージを受けてしましました。
悪循環にはまってしまうと、抜け出すのは口で言うほど簡単ではありません。
正直、組織の理不尽さを感じたのも事実です。
ただ、このような経験をもとに特定の社員を訴えようとか辞めさせようなどと考えたことは一度もありません。
自分に対し何ひとつメリットはないからです。
パワハラに限らず、相手の足を引っぱって人生が好転することはないのです。
これらの行為に時間とお金を使うくらいなら、新たな道を探して行動するほうが確実にプラスになります。
僕がブログを書き続ける理由は、まさにここにあるのです。