評価は成果に先行する
成果主義という言葉を耳にする機会が増えました。
成果主義とは、成果を上げた社員により高い評価を与える仕組みのことです。
年功序列に代わる制度として、何となく日本でも定着した感があります。
成果主義のメリットとデメリットを簡単に整理してみます。
≪メリット≫
- 若手社員にもチャンスを与えることができる
- 競争原理が働く
- 効率的に人件費を削減することができる
≪デメリット≫
- 部門間や担当業務により成果の比較が難しい
- チームワークより個人プレーが優先される
- 評価を下げられた社員のモチベーションダウンが起きやすい
当たり前すぎて「それがどうした」という印象を受けるかもしれません。
その中で、僕が注目しているのは「成果主義+相対評価」の組み合わせです。
この組み合わせの特徴は
- 一定の降格対象者が出る
- 人件費削減につながる
- 左遷に近い降格者の異動が発生する
- 降格者の著しいモチベーション低下を招く
- 降格者はさらに厳しい評価を受ける
- 存在価値を見失う
となります。
人件費削減と引き換えに、存在価値を見失い苦しむ人が増加し続けているのです。
ではなぜ人は「成果主義+相対評価」の制度に苦しむのでしょうか。
理由は簡単です。
評価は成果に先行するからです。
成果が評価に先行するのではなくその逆なのです。
もしあなたに複数の部下がいるとするなら、部下に対しランクをつけるでしょう。
「Aに上げるならこの人」
「Cに落とすならこの人」
のような感じです。
部下を評価することは、上司として重要な役割ですから当然といえば当然です。
この時点での「ABC…」は必ずしも目標設定をベースにしたものではありません。
「がんばっている」とか「いない」とか「自分の考えがある」とか「ない」とか「あの態度が気に入る」とか「気に入らない」とかそういう次元のものです。
さらにあなたが部下の立場であるなら、上司が変わって「評価が上がった」または「評価が下がった」という経験を一度くらいはしたことがあるでしょう。
つまり、人間とは特定の人間に対し固定的なものの見方をする生き物なのです。
これが、評価は成果に先行する一番の理由です。
結局のところ、成果とは後付けなのです。
評価を上げたい部下に対しては、より難易度の高い業務が与えられます。
評価を下げたい部下に対しては、目標が達成されたとしても「設定した目標が低い」「スピード感が足りない」「積極性が足りない」となるわけです。
成果主義への流れは、今後さらに加速していくことでしょう。
その中で最も大切なのは、人件費を削減することではありません。
社員を潰すことでもありません。
特定の社員のみを優遇することでもありません。
最も大切なのは、社員を成長させることです。
この視点なしに、企業の成長はありえないでしょう。
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