減点主義で前向きになれるの?
基本的に上司が部下を評価するという行為は、組織のパフォーマンスを下げます。
評価する人の数が少なければ少ないほど評価に主観が入るからです。
納得感のない評価は、部下のモチベーションを下げます。
納得感のない評価は、上司との人間関係に溝を生みます。
納得感のない評価は、部下を絶望させます。
納得感のない評価で、組織の結束力は弱まっていくのです。
ヒエラルキーという言葉があります。
組織の「階層」や「階級」さす言葉です。
多くの会社員が組織の「ヒエラルキー」の中で生きています。
多くの会社員が上下関係を意識するのは「階級」や「階層」があるからです。
組織の中で重視されるのは、性別や年齢ではありません。
もっぱら「階級」や「階層」なのです。
ヒエラルキーが色濃く残る組織ほど、以下のような傾向が強く出ます。
・加点より減点
・抵抗より服従
・議論より指示
・委任より管理
・バカより真面目
「俺の言うことを聞いていればそれなりの評価をくれてやる」というわけですね。
上司は、仕事上のスキルはもちろん、人間性に至るまで部下より優れていると信じて疑うことはありません。
一方、部下はとにかくミスを回避しようとします。
ミスが、評価の減点に直結するからです。
自分にとって都合の良いことは積極的に報告するようになり、都合の悪いことは報告しないようになります。
これを隠蔽体質と言います。
新入社員の研修等で講師はこのような話をします。
「報告・連絡・相談は社会人の基本‥」
間違いではないと思います。
「報告・連絡・相談」がないのは、報告する側の問題ではありません。
組織の体質であり、管理者側の問題です。
あなたは上司との面談の中で、こんな話をされたことはありませんか?
「もっと前向きに、もっと積極的に取り組むこと」
部下をもっぱら減点で評価しておきながら「前向きに」「積極的に」と言われても、何をどうすれば良いのかがわかりませんよね。
社会人を続けていると、このような矛盾にたびたび直面します。
組織というより、人間社会とはこのような矛盾に満ちているものなのでしょう。
矛盾に満ちた人間社会を生きていく上で、自分自身の価値基準を持つことはとても重要です。
「上司が言っていたから」
「会社の方針だから」
「国の政策だから」
ではなく
「なぜ自分はそう思うのか」
を最優先させるべきではないかというのが僕の基本的な考えです。
・減点より加点
・服従より抵抗
・指示より議論
・管理より委任
・真面目よりバカ
先ほどあげた、ヒエラルキー5項目の逆を書いてみました。
「常識の逆」をイメージするほうが、パフォーマンスが上がるような気がしませんか。
「常識の逆」書き出してみることは、思考を整理する上で割と重要なことなのかもしれませんね。