ヒロキ@転職チャレンジャー

転職活動中の会社員です。会社員のリアルな現状をまとめています。

パワハラとは組織の病気

パワハラによる苦しみ」「人間関係の悩み」は別物です。

人間関係の悩みは、感情のぶつかり合いや性格の相違です。

パワハラは違います。

パワハラには、明確な立場の差や上下関係が存在するからです。

立場的に上の人間が、下の人間に精神的、肉体的に攻撃を加えるのがパワハラです。

企業で言えば、加害者は上司で被害者が部下ということになります。

被害者である部下は、加害者である上司に感情をぶつけることができません。

「はい」「すみません」以外、意見を言うこともままなりません。

加害者である上司は「はい」「すみません」以外の答えを、すべて言い訳と受け取るからです。

 

僕自身、二十数年の会社員生活の中でパワハラを受けたことが何度かあります。

一番ひどかったのは、評価の急落により降格が決定的になった時です。

適応障害との診断を受けた直後、異動先で上司からパワハラを受けました。

除草がメイン業務となりました。

その上司は、社内でもパワハラで有名な社員でした。

草の刈り残しが一本でもあると「手を抜くな!」と言いました。

道具を運ぶとき両手を使わないと「両手を使え!効率を考えろ!」と言いました。

「はい」「すみません」以外の答えをいうと、揚げ足をとって「ウソつき」呼ばわり。

1分1秒単位で行動を監視され、少しでも意に反することがあれば、容赦なく言葉の攻撃を加えてきました。

僕は降格だけは免れようと必死でしたが、そんな気力も日に日に薄れていきました。

出社そのものが憂鬱で仕方なくなってしまいました。

パワハラ上司は一時、僕が住んでいたアパートの真上に住んでいました。

朝5時を過ぎると、ゴソゴソと起きて動き出す音が聞こえました。

その音がすごく苦痛でした。

「あぁ、今日も奴は生きているのか」と思いました。

 

パワハラ上司にはいくつかの特徴があります。

 

・基本的に仕事熱心

・自分の考えが絶対的だと信じている

・許せないツボや怒りのツボがある

・特定の部下を集中的に攻撃する

・部下の話を聞かない

 

厄介なのは「本人にパワハラの自覚がないこと」「指摘されてもパワハラ行為がやめられないこと」です。

パワハラは病気であり、組織にとってパワハラ社員は病原体なのです。

パワハラ上司が組織の病原体である以上、異動先で部下を持てば被害が拡大します。

部下のモチベーションは下がり、組織のパフォーマンスは低下します。

部下のモチベーションすら上げることのできない上司は、部下を持つ資格がありません。

 

パワハラ社員に部下を持たせるのは、本人の問題ではありません。

組織の問題です。

仕事熱心であるがゆえにパワハラを容認していることが問題なのです。

 

不適切な比較かもしれませんが、障害等で他人とコミュニケーションをとるのが苦手であるがゆえに能力が低いとみられがちな社員と、部下のモチベーションを著しく下げ、精神的に追い込むパワハラ社員では、後者の方が組織にとって有害なのは明らかです。

しかし、組織は前者を冷遇し後者を野放しにしがちです。

 

パワハラは社員個人の問題ではありません。

ブラックな組織にはびこる問題なのです。