ヒロキ@転職チャレンジャー

転職活動中の会社員です。会社員のリアルな現状をまとめています。

降格よりリストラ

企業には多くの場合「人事制度」が存在します。

人事制度とは、人事関連のルールです。

人事制度とは、複数の制度から構成されています。

 

・評価制度

・等級制度

・賃金制度

等が人事制度に紐づけされ運用されています。

 

人事制度は、組織のピラミッドを維持させるためのものです。

評価、等級、賃金が連動することで、組織のピラミッドが維持されるのです。

 

僕は大卒の新卒として今の会社に入りました。

1990年代半ばのことです。

入社して20年以上が経ちます。

同じ会社に20年以上勤務していると、業界や社内の変化がわかります。

組織内部のこともよくわかります。

その中で、人事制度も大きく変わりました。

評価制度で象徴的なのは「中心寄り」から「メリハリ型」になったことです。

中心の「B」評価が消滅し、6段階(事実上4段階)評価に移行しました。

「メリハリ型」の評価制度と連動するように「等級」も上下するようになりました。

そして「等級」と連動するように「賃金」も上下するようになっていったのです。

上下というより「下げる制度」に移行していったのです。

その中で最もインパクトが大きかったのは「降格人事」でした。

降格が他人事から最も身近なものになっていきました。

僕自身も降格の犠牲となりました。

降格はあまりに一瞬であまりにあっけない出来事でした。

あまりにインパクトが強すぎて、精神的にダウンしてしまいました。

結果、心療内科に通院することとなり適応障害との診断を受けました。

  

特定の上司による相対評価は、しばしば著しい不公平感を招きます。

上司により評価ポイントが大きく異なるため、評価のブレ幅が大きくなります。

上司による「評価のブレ」により、部下の将来が大きく左右されてしまうのです。

年功序列の時代であれば「評価のブレ」はあまり大きな問題ではありませんでした。

昇進、昇格の「角度」は異なっていても、基本的に右肩上がりだったからです。

しかし今は異なります。

上司による「評価のブレ」は降格に直結してしまうのです。

 

僕は、降格制度こそが「最低の人事制度」であると断言します。

 

≪降格のデメリット≫

・上司と部下の信頼関係が消滅する

・職場の人間関係に軋轢を生み出す

・著しいモチベーション低下を伴う

・昇格のチャンスが事実上消滅する

・組織の中で存在価値を見失う

 

このようなデメリットだらけの降格人事で、組織のパフォーマンスなんて上がるわけがありません。

それでも企業は、降格人事をやめようとはしません。

なぜなら、人件費削減効果が大きいからです。

「人件費」は目に見える経費です。

人事担当者は、人件費をどれだけ削減するかで評価が決まります。

他の間接部門同様、経費の垂れ流しは許されないのです。

一方「モチベーション」「組織のパフォーマンス」は組織の中で、あまり重要視されることはありません。

抽象的で可視化しづらいからです。

「生産性」についても、参考指標的なものです。

 

降格とは、対象者にとって「飼い殺し」の人事です。

「飼い殺し」は、企業にとっても対象者にとってもメリットはありません。

これからの企業は、より退職しやすい環境を整備することが重要です。

単に社員を「クビにする」といったリストラ的発想ではなく、

 

・起業を支援する

・いわゆる「出戻り」を認める

 

等の制度と連動させることができれば、退職に対するハードルは下がります。

そうすると、組織内部で「優秀な人材まで流出してしまうのではないか」という意見が出るかもしれません。

しかし、退職したい人は優秀であるかどうかに関係なく退職します。

転職したい人は転職し、起業したい人は起業するのです。

そして何より、人材の流出を心配するような組織は、企業として二流だということに気づいたほうがよいでしょう。