アンチポジティブ論
SNSを眺めていました。
ある投稿のある言葉が目に留まりました。
このようなことが書かれていました。
「ネガティブな人間とはつきあうな」
違和感というよりもむしろ不快感に近いものがありました。
投稿者にとっては当たり前の感覚なのかもしれません。
「ポジティブに生きよう」と言いたかっただけなのかもしれません。
ただ「ポジティブだけが正義」という物事の捉え方には、いつも引っかかりを感じてしまいます。
自己啓発という言葉があります。
書店に行くと、いわゆる自己啓発本がたくさん並んでいます。
ブログやSNSの世界にも、自己啓発系の記事や投稿がたくさんあります。
自己啓発の結論はいつも決まっています。
「ポジティブに生きよう」です。
世の中は「ポジティブに生きよう」的な情報であふれています。
一体なぜなのでしょう?
理由は簡単です。
「ポジティブに生きたい」と考えている人がたくさんいるからです。
裏を返せば「ポジティブになりきれない」と考えている人がそれだけ多いということです。
ポジティブになり切れず悩んでいる人たちがそれだけたくさんいるということなのです。
それにしても「ポジティブになりきれない」は悩みの対象なのでしょうか?
ここで悩んでしまうと、永遠にポジティブになり切れないような気がします。
一つだけ言いたいことがあります。
それは「ポジティブやネガティブは性格ではない」ということです。
そのときの感情であり心の状態です。
感情には波があります。
とりまく環境や状況により大きく変化するものです。
変化するのがむしろ当たり前なのです。
100%ポジティブな人も100%ネガティブな人も存在しないのです。
生まれつきポジティブな人もネガティブな人も世の中には存在しません。
どちらが支配的か、というだけの話なのです。
精神障害等でポジティブになりきれない人も数多くいます。
ネガティブな人たちではありません。
人一倍ポジティブに生きようとしている人たちなのです。
・強い人と弱い人
・積極的な人と消極的な人
・外交的な人と内向的な人
・優しい人と冷たい人
これら一括り感のある表現、そして前者のみを正義とするものの見方も基本的にはポジティブやネガティブと同じ発想です。
ポジティブやネガティブは性格ではありません。
「ポジティブな人は性格が良い」「ネガティブな人は性格が悪い」は一種の偏見です。
「笑顔を絶やさず人当たりの良い人」がポジティブで、「不愛想でとっつきづらい人」がネガティブというのもやはり偏見です。
人と接するときに避けたいのは、短所のみを取り上げて批判することです。
心がけたいのは、長所を見つけ出すことです。
自己啓発とは、単にポジティブに生きることではなく、多様性を受け入れることなのかもしれませんね。
お気軽にどうぞ!
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