仕事のできる人の定義とは?
「仕事のできる人」
とは一体どのような人をさすのでしょう?
「あの人はすごく優秀で…」
「あの人は仕事ができるから…」
日々仕事をしていると、このような言葉をよく耳にしますよね。
先日、移動中の車の中で、メンバーが僕にこんな話をしました。
「前の職場の店長はすごく優秀なんですよ」
僕は質問しました。
「どのように優秀なの?」
彼はこう答えました。
「営業数値を全て把握していて、次の日の営業をとてもよく考えている…」
僕「営業数値を細かく把握していれば、優秀なのかな?」
彼「それだけではないと思いますが…」
僕「それ以外に優秀と言える部分は?」
彼「すごく腰の低い人です。人間的にできているというか…」
僕「人間性は確かに重要だよね。じゃあ、人柄がよければ優秀なのかな?」
彼「そういうわけではないと思います」
僕「で、お店の業績は上がったの?」
彼「変わりませんでした」
僕「お店の業績が上がれば、そこの店長は優秀といえるのだろうか?」
彼「はい。そう思います」
僕「そうかもしれないね。じゃあ、上げられなかった店長は能力が低いのだろうか?」
彼「それも違うと思います」
彼はまた、別の上司のことでこんな話をしていたこともあります。
彼「あの人は最悪です」
僕「どのように最悪なの?」
彼「とにかく理不尽なんですよ。ちょっとしたことでキレだすし」
僕「彼は僕も良く知ってるんだけど、頭はすごくいいよね」
彼「頭はいいのかもしれませんが、性格は最悪です」
僕「彼は相手によって態度を変えるよね。部下は大変だろうね」
彼「はい。パワハラで通報されてもおかしくないと思います」
僕「ただ、営業数値の分析力はすごいよね」
彼「はい。エクセルも使いこなしていると思います」
僕「企画力や分析力は重要だと思うけど、結果を出すための手段でしょ?」
彼「はい、そう思います」
僕「会社って、企画力のすぐれた人を評価する傾向が強いような気がする」
彼「そうなんですか」
僕「僕自身も、本社で企画系の業務をしていたときが最も評価が高かった」
彼「へぇー」
僕「だから、所属部署や担当業務で評価の半分は決まっていると思うんだ」
彼「そういうもんなんですかね」
僕「特に本社には色んな部署があり、担当業務も細かく分かれている。だけど会社は、相対で社員を評価するから落ちる人が必ず出てくるわけだよね」
彼「はい」
人事制度や評価制度は企業により異なります。
結果のみで評価する企業もあります。
結果とプロセス両方で評価する企業もあります。
また最近では「ノーレイティング」といって社員をランク付けしない評価制度を導入している企業もあります。
評価制度は企業により異なります。
評価制度に正解はありませんし、全社員が納得する評価制度はありません。
ただ、経験上強く感じるのは「落とすこと」を前提とした減点主義は、間違いなくし社員のモチベーションを下げるということです。
モチベーションの向上がどれだけ業績に貢献するのかは正直わかりません。
社員全員のモチベーションを上げるのは、そもそも困難でしょう。
ただ、下げる要素を排除することは、評価を含めた人事制度を設計する上でとても重要だと思います。