キャリアアップの終焉
ほぼすべての企業に共通していえるのは、従業員の年収ピークが年々早くなっていることだと思います。
僕自身も例外ではありませんでした。
新卒で入社して二十数年、キャリアのピークは40歳でした。
30代前半、営業部門に在籍していたころの担当店舗数は19、部下約150名。
30代後半。物流部門に在籍していたころの担当拠点数は13、部下約80名。
そんなキャリアも、評価の急落とともに一瞬でどこかに吹き飛んでしまいました。
評価急落後の会社員人生は、けっこう悲惨でしたよ。
・一転して降格対象
・20年ぶりの店舗勤務
・事実上の降格
・25%超の年収ダウン
・メンタルの悪化
・適応障害
・さらなる配置転換
・メイン業務は除草
現在は、2人の実質的部下と一緒に日々草を刈っています。
この20年で、従業員をとりまく環境は大きく変わりました。
≪20年前≫
・人事制度‥処遇改善や不公平感の是正
・キャリア‥年功序列的なスライド昇進
・給料‥基本右肩上がり
≪現在≫
・人事制度‥人件費削減
・キャリア‥降格人事の本格導入
・給料‥良くて横ばい
「生産性向上=利益増加=人件費削減」
ということなのでしょう。
売上減、客数減に対応する上で、人件費削減は有効な手段ではあります。
この考え方を否定するつもりはありません。
ただ、降格をメインとした人件費削減には大いに疑問を感じます。
・降格人事で組織のパフォーマンスは上がるのか?
・たった一人の上司の評価で降格を決めてよいのか?
・そもそも相対評価は客観的なのか?
ということです。
評価急落とともに降格対象者となった時、僕のメンタルは一瞬で崩壊しました。
夜中に飛び起きることが毎日のように続きました。
降格後の自分を想像すると、苦しすぎていても立ってもいられなくなりました。
「降格の確定=刑の確定」のような心境でした。
何も悪いことをしていないのに、頭の中が罪悪感で一杯になりました。
心療内科に通院することになりました。
メンタルの悪循環がさらなる評価ダウンを引き起こしました。
下げ止まらない評価が恐怖でたまりませんでした。
立ち直る気力さえ失ってしまいました。
ここまで追い込んでしまうのが、降格人事というものです。
評価とは、業務に対する結果です。
結果ですからパワハラにあたることはありません。
しかし、降格にはパワハラに匹敵するだけの破壊力があります。
出世のレールを順調に歩み続けた役員や幹部社員はこう言います。
「もっと積極的に」
「もっと前向きに」
「過去は振り返るな」
「プライドを捨てろ」
であれば、従業員がより安心して仕事に打ち込める環境づくりを優先させるべきでしょう。
・減点よりも加点主義
・相対よりも絶対評価
・「上に甘く下に嚴しい」不公平感の解消
・手をあげる人にチャンスを!
痛みや喜びを分かちあえる組織でありたいですね。