働きがいについて
社内研修で「働きがい」について議論する機会がありました。
「働きがい」とは仕事を通じて得られる喜びや充実感です。
「働きがい」とは個人の感情や感覚です。
同じ会社で働いていても、個人の「働きがい」は常に変化します。
会社をとりまく環境が、日々変化しているからです。
プライベートを含め、従業員をとりまく環境も日々変化しています。
「働きがいのある会社」を、より厳密に表現すると「従業員が働きがいを感じることのできる会社」ということになります。
従業員の「働きがい」を追究する上で考えなければならないのは、その阻害要因です。
研修では、阻害要因についてこのような意見がありました。
・人間関係がうまくいかない
・職場環境が悪い
・教育を受ける機会が少ない
店舗勤務の参加者が比較的多かったせいか、上司である店長に対する不満が大半でした。
・言いたいことが言える
・感謝しあえる
・教えあえる
これらが理想の組織であり理想の店舗をいうことでまとまりました。
具体的対策として、このような手段がでてきました。
・店長がスタッフと同じ制服を着て接客する
・事務所の壁を取り払う
・ランチミーティングを実施する
確かに従業員間の距離は少しだけ縮まるのかもしれません。
同時に、本質的に個人の意識が変わるようにも思えませんでした。
ちなみに僕の40代を振り返るとこんな感じです。
・最高の評価を受けた
・幹部社員が見えた
・一転して評価急落
・降格対象となった
・事実上の降格
・年収20%超ダウン
・部下なし職位なし
・適応障害
・メイン業務は除草
ここまで売り込まれてしまうと、人間関係や職場環境はどうでもよくなります。
適応障害についても、その程度まで回復したのかよくわかりません。
1つだけ言えることがあります。
入社以来僕が最も重視していたのは、評価であり出世だったということです。
「より高い評価を得て次のステップへ進む」という30代まで当たり前だった目標があまりにあっけなく崩れてしまったということなのです。
どうして言いたいことが言えないのか?
どうして職位により壁を感じてしまうのか?
理由は簡単です。
組織がピラミッド型の階層社会になっていること。
部下は上司に評価されるという点でその後の運命を左右する存在であること。
つまり、従業員における「人間関係の悩み」とは、人間関係そのものの悩みではなく、人間関係悪化で想定される不利益のことを指すのです。
「ノーレイティング」という言葉をご存知でしょうか?
社員をABC…とランク付けしない評価のことをいいます。
年次評価をやめ、リアルタイムでフィードバックする仕組みです。
アメリカ企業を中心に導入が拡大しているようです。
僕が強く感じたのは、
「自分の取り組みを正当に評価してほしい」
「より納得感のある評価を得たい」
は、従業員共通の要望であり、正当性や納得感に乏しい評価こそが、働きがいの阻害要因であるということです。
「ノーレイティング」は、働きがいの阻害要因を取り除き、生産性を上げていく上で有効な手段のひとつかもしれませんね。