誹謗中傷とクソリプ
ネット上に蔓延する誹謗中傷とクソリプについて考えてみました。
木村花さんという女子プロレスラーが亡くなりました。
SNSによる誹謗中傷が、彼女を精神的に追い込んでしまったようです。
このニュースで初めて彼女を知った人は「何でこんなきれいな人が?」と思ったに違いありません。
誹謗中傷の根底には嫉妬があります。
嫉妬とは「自分より上」と認識した相手に抱く感情です。
「自分より下」と認識した相手に嫉妬する人はいません。
- 自分より美しい
- 自分よりお金持ちだ
- 自分より有名だ
対象となる相手にこのような感情を抱き「自分より幸せな人だ」と決めつけてしまうのです。
「自分より幸せ」=「他人から攻撃されて当然」
このような勝手な解釈が、ネット上の誹謗中傷やクソリプの元凶であり、卑劣行為を正当化する根拠となっているのでしょう。
社会に与える影響力が大きい事件が起きるたびに、法による規制や罰則強化という話が出てきます。
- 飲酒運転の罰則を強化しよう
- 薬物使用の罰則を強化しよう
- 危険物の持ち込みを規制しよう
規制や罰則強化自体、反対ではありません。
ただ、罰則強化とその効果は限定的であるようにも思います。
特に誹謗中傷の類は、規制したところでなくなるようなものではありません。
人の心を傷つける行為は、SNS以外でも数多くあります。
言動の一部を切り取り、寄ってたかって非難する行為は、テレビで日常的に見られます。
ワイドショーの話題といえば、芸能人や有名人のスキャンダルばかりです。
違法行為や不倫から、緊急事態宣言中の不要不急の外出や旅行に至るまで、プライベートを取り上げては徹底的に非難します。
情報の切り取り方は、SNSの誹謗中傷とさほど変わりません。
このような情報をばかりを流すのもどうかと思いますが、喜んで見ている多くの視聴者がいるのも事実です。
SNSはテレビとは異なり、匿名でだれでも情報発信できます。
それゆえ内容が過激になり、特定の個人を深く傷つけてしまうのです。
人間の心の中は一面的ではありません。
善意と悪意、暴力と快楽が常に同居しているものです。
自分の常識が他人の常識であるとは限りませんし、他人の常識が自分の常識であるとは限りません。
他人の心を傷つける行為は学校や職場でも見られます。
学校ではイジメ、職場ではパワハラなどと呼ばれます。
これらの行為をなくすことは残念ながら困難です。
学校でイジメがなくならないのは、楽しいからです。
職場でパワハラがなくならないのは、感覚や認識にずれがあるからです。
イジメもパワハラも加害者意識をもって行為に及ぶ人はまずいません。
職場のパワハラでは「育成のため」「部下のことを考えて」というパターンもよくあります。
日常生活において、人の心を傷つける行為はどこにでも存在します。
被害者になる可能性は誰にでもあります。
これからの世の中に必要とされる情報とは「情報を意図的にカットする方法」や「他人と距離を置く方法」なのかもしれませんね。
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